主動筋と拮抗筋
こんにちは(^^)江村鍼灸院の江村です。
スポーツの試合や大会で、調子は良いのに、実力が発揮できなかった、悪くはないが冴えなかった、という経験はないでしょうか?
調子が良いと感じるのは、体調や動きが良いと感じる時です。
しかし、調子はよくても実力が発揮できない、冴えない、ということがあります。
運や対人の要素を抜きにして、考えられる要因があります。
それは筋肉張力のバランスです。
筋肉が働く際には、主動となる筋肉と、その筋肉と拮抗する筋肉があります。
主動筋が収縮すると拮抗筋は弛緩します。
2つのバランスがとれていることで、筋肉は本来の張力を発揮します。
ですが、主動筋、拮抗筋のいずれかの張力が強く(弱く)なり過ぎていると、本来の張力を発揮できません。
そして張力を発揮できない状態でも、そのことに氣づかないことはよくあります。
スポーツや格闘技を観戦していると、調子は良さそうなのに、筋肉張力のバランスが悪そうだと感じることがあります。
【勝手な考察】
WBSSバンタム級決勝戦、井上尚弥VSノニト・ドネア戦を見て
WBSSはWorld Boxing Super Seriesの略で、昨年(2019年)はバンタム級トーナメントに、プロボクサーの井上尚弥選手も参戦し、圧巻のパフォーマンスで優勝されました。
その決勝戦である、井上尚弥VSノニト・ドネア戦を見た考察です。
ここからは、個人的な考察で何の根拠もありませんので、あしからず。
テレビ放送でリングインした井上選手を見て、井上選手のひとつ前の試合、エマヌエル・ロドリゲス選手との対戦時より、僧帽筋上部の張力が強くなっているように感じました。
パッと見の印象は、チンニングをしているような張力を僧帽筋に感じました。
張力バランスの偏り①僧帽筋上部と前鋸筋の張力バランス
主動筋の張力が強くなると、拮抗筋の張力が弱くなることがあります。
僧帽筋上部の拮抗筋は前鋸筋です。
前鋸筋は肩甲骨を前方に引く働きがあり、パンチのスピードや威力に関係します。
そのため前鋸筋の張力が弱くなると、パンチのスピードや威力が落ちます。
観察から、いつもよりパンチのスピードや威力が落ちているのではないかと感じました。
張力バランスの偏り②僧帽筋の張力が強くなって起きること
僧帽筋上部は肩甲骨を後頭部の方へ、そして背中の中心の方へ寄せる働きがあります。
そのため張力が強くなると、肩甲骨をその方向に引き寄せた状態になります。
肩甲骨のポジションがミリでも上がると、重心も少し高くなり、目線も僅かな角度ですが上がります。
ニュートラルなポジションよりも重心が上がると、體捌きが遅くなります。
目線が上がると、下方が見え難くなります。
観察から、いつもより攻撃をもらいやすいのではないかと感じました。
もし本当に張力バランスが偏っていたのなら、張力バランスが整った状態で再戦すれば、今回よりも圧倒的なパフォーマンスを見ることができるのではないかと思いました。
何の根拠もない勝手な考察ですが、ご覧いただきありがとうございます。
筋肉の張力は、筋肉内のセンサー(筋紡錘)によって変化します。
センサーが誤作動を起こすと、張力が強くなり過ぎたり、弱くなり過ぎたりします。
そして誤作動は不意に訪れます。
その結果、パフォーマンスを低下させることがあります。
筋肉張力は、センサーを中心に伸ばすことで強くすることができ、センサーに向かって筋肉を縮めることで弱くすることができます。
調子は良かったはずなのに、力が発揮できない、冴えないと感じた場合、可能性のひとつとして考えてみてください。
このブログは武道から学んだわたしの哲学を書いています。
何かのお役に立てれば幸いです。
江村拝
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