術(わざ)の構築方法
術(わざ)の核にあるのは意識です。
意識が明確なほど、術(わざ)の精度は高くなります。
術(わざ)を構築するための、意識の定義は、感覚的にそこにある(存在する)と認識できるものや事柄です。
1+1=
この等式の解を、ほとんどの方が2だと認識(判断)したと思います。
そこには無かった2を意識したはずです。
あってもなくても、感覚的に認識したものや事柄が、自身には存在する状態です。
存在するということは、その瞬間にそれは創造されたということです。
創造は共感できるものです。
相手がこちらの創造を認識できなくても、共感を強要できます。
これが術(わざ)における意識の定義です。
術(わざ)の意識は、基本的にこのような概念で捉えてください。
羂索縛りは相手を固める術(わざ)です。
固めるための意識
わたしたちの動き、動きの強弱は、運動エネルギーを探ることで見えてきます。
動きがなく、静止に近いほど運動エネルギーは0に近づきます。
靈止(ひと)の運動エネルギーには、はじまりの地点となる、起点があります。
その起点の運動エネルギーを0にする、もしくは可能な限り0に近づければ、動きを止めることができます。
わたしたち靈止(ひと)の起点は、基本的に足裏が設置する地面です。
地面に自重を落とし、その跳ね返りを筋肉の収縮と関節の角度で方向性に変換して、動きを作ります。
ここで、動きを封じるための考え方が二つ出てきます。
ひとつは地面からの跳ね返りをなくすことです。
つまり起点を0にします。
もうひとつは筋肉の収縮と関節の角度をこちらで制御することです。
こちらのやり方は羂索縛りではなく、呼吸の術(わざ)なので、今回はその術式は省略します。
地面からの跳ね返りを無くすやり方
地面からの跳ね返りを無くすやり方は、以前の動画で紹介しています。
羂索縛り 武術の基本術理「固めて崩す」ができるようになる動画 @江村鍼灸院/セオリープラクティス - YouTube
羂索縛りには術(わざ)の段階があり、このやり方を杖化、及び三次元的羂索縛りと呼んでいます。
三次元的羂索縛りの術式
明確な意識
{相手は自分を支える杖(脚の延長)}+杖の先端で運動エネルギーが留まり続けていることを感じる=起点の運動エネルギーが限りなく0に近づく=相手の動きが止まり固まる=A
Aの状態を維持したまま、杖の動きを制御すれば、相手の動きを制御できます。
Aをセオリープラクティスでは、金縛法と表現することが多いです。
すでに次の段階に到達しているひとのために、四次元的羂索縛りの術式も表記しておきます。
四次元的羂索縛りの術式
明確な意識
相手を地面化(壁化又は椅子化)しエネルギーを借りる+時間概念に囚われない見開き(並行世界)で自分の位置を確保し続ける=相手が自身を制御する権利を失う=相手のエネルギーを制御=B
Bの状態を維持すれば、相手のエネルギーで動きをつくることができます。
Bをセオリープラクティスでは、傀儡廻しなどと言ったことがあります。
術(わざ)と技の違いは、根底にある意識の違いです。
術(わざ)の構築は明確な意識の構築です。
それが分かると、毎回、術式が発動していることが理解できます。
動きや肉體の制御よりも、まずは意識を制御して術式を構築することが大切です。
羂索縛りができるようになると、肉體の強度に関係なく相手を制圧できるようになります。
是非、術(わざ)の習得に上記の術式を参考にしてください。
※この記事はセオリープラクティスで、羂索縛りを體驗済みの方向けに書いています。
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