空の教室〜Ku-classroom〜

セオリープラクティス=武道、深奥の探求

武術の継承 〜口傳と手解き〜

上達の仕組み

 

できるようになるというのは、脳が一定の事を再現し、出力することができる状態です。

 

学習や運動は、上達するために何度も同じことを繰り返し、それを再現します。

 

繰り返すのは、入力した情報を可能な限り正確に出力するためです。

 

学習では見る、書く、言うなどを繰り返し、運動では動作などを繰り返します。

 

この時、多くの方が自然に、見たもの、書いたもの、そして動作を、頭の中で言語化しています。

 

型の稽古であれば、引いて、突いて、受ける、などを脳内言語化しながら、動作を行なっています。

 

はじめの頃は、意識的に脳内言語化をしていますが、その入出力に慣れてくると、脳内言語化を認識せずとも、動作を行えるようになります。

 

言葉は、自分が認識している意味が常に作用します。

 

暑い中で暑いと発声、もしくは脳内言語化を続けると、脳には自分の知る、暑い状態が響き、脳内に暑いの情報が充満します。

 

そうするとわたしたちは、より暑いを意識し認識します。

 

意識の世界、無意識の世界

 

わたしたちは意識の世界を生きていますが、わたしたちの脳は、ほとんどが無意識の世界にあります。

 

僅かな範囲の意識の世界で、ひとつのことが濃くなれば、無意識の世界にも浸透し、それはさらに意識の世界を濃くをします。

 

意識の世界は真っ暗闇の中で、火のついた蝋燭を一本持っている程度の広さです。

 

わたしたちは、僅かな蝋燭の明かりを頼りに、進むべき方向を模索しています。

 

そんな中で、どこからか水が垂れる音が聞こえたら、その響きの発信源を自然と探ります。

 

わたしたちが使う言葉は、その水の響きと同じで、わたしたちを誘います。

 

マザーテレサの言葉に

「言葉に氣をつけなさい、それはいつか行動になるから。」

という一文があります。

 

言葉は、意識の世界を変える力を持っています。

 

手解きで口傳を響くようにする

 

稽古中に使う言葉は、上達を左右します。

 

わたしは、術(わざ)の仕組みを言葉にして傳えます。

 

そして、その意味を體驗してもらいます。

 

その後で、わたしの傳えた言葉を唱えながら、動きを再現すれば、術(わざ)は再現できます。

 

武術には口傳というものがあります。

 

口傳は暗闇に響く水の音です。

 

ですがそれだけでは、その場所に辿り着くことができません。

 

口傳には、それを理解する手解きがあります。

 

武術の継承には『口傳と手解き』このふたつが必要です。

 

武術は、意識と無意識を理解していくものです。

 

それは自分の感じている世界と、その外側にある世界を知っていくことです。

 

追伸

「できない」「難しい」「お金がない」「時間がない」「自分は続かないにんげんなんです」ということを言われる方がいます。

それを言っている間は、本当にそうなんだと思います。

そこから抜け出したければ、使う言葉ともっと真剣に向き合い、変えることです。

 

わたしは、変わろうとする靈止(ひと)を、全靈で支えます。

 

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